ファーストガンダムのパイロット。アムロ・レイ

アニメの主人公が男の子の場合、
特にそれがロボットアニメの場合、
正義感が強く、明るく熱血で、
けっこうイケメン（笑）
それが、従来のアニメーションの設定でした。
もちろん、日本人であることは、絶対条件です。


これらが、「機動戦士ガンダム」で
見事に覆されました。

ファーストガンダムのパイロット
アムロ・レイ。

彼は、日本人ではありません。
それは、名前からもわかりますよね？

この時代、宇宙世紀においては、
今のような国籍や人種の差別意識はなくなっています。

なので、アムロ・レイはどこの民族か不詳のままです。


ネクラで、思春期特有の少々ひねくれた性格。
機械いじりが好きないわゆるオタク系で
友達も非常に少なく、
いつも部屋に閉じこもりがち。

アムロ・レイを端的に表現するなら、
このような表現になるでしょうか？


地球連邦に宣戦布告したジオン公国のモビルスーツが、
突然アムロ・レイの住むスペースコロニー・サイド７に
攻め込んできた。

これが、彼の人生を大きく狂わせます。

ジオン公国のモビルスーツ、ザクの襲撃に
防空壕（なぜスペースコロニーにあるのか？という突っ込みをした記憶があります）に
非難しようとするアムロ・レイ

彼は、偶然地球連邦の開発した
新型モビルスーツ「ガンダム」を発見する。

そして、「ガンダム」を操縦し、
攻めて込んできた２機のザクを撃破する。

これが、アムロ・レイとガンダムの出会いです。

ここは、従来のロボットアニメーション同様、
初回の１話分を大きく割いて、
じっくりと描いています。


アムロ・レイは、
たまたまコンクールで表彰されるほど機械に詳しかった。
たまたま父親のテム・レイが、連邦軍のガンダム開発チームの主任だった。
たまたまアムロ・レイは父親のパソコンから、ガンダムという
地球連邦の新型モビルスーツのデータを盗み見ていた。

これらの偶然が重なって、
アムロ・レイは地球連邦のマニュアルを片手に、
いきなりガンダムのコックピットに乗って、
見事にガンダムを操縦してみせます。

このことが、大きく
彼の人生を狂わせていくことになったのです。


当時の他のアニメーションの主人公は、
紛れもなくヒーローとして描かれていました。
しかし、アムロ・レイは、
近所にいる普通の根暗な男の子。

このことが、当時の子供達に共感を得る結果となり、
以降、等身大の主人公が描かれるアニメーションの時代へと移り変わったのです。